Purewhite Devil
水のアーチをくぐり抜けると、長い通路になっていた。


全てが白で統一されている。


神秘的な空間。


そしてその空間に加えられた水の音。


心を綺麗にしてくれそうな場所。


白い大きな扉の前で足を止め、高まる気持ちを胸に扉を開けた。



「ここってーー」



吹き抜けの天井にはガラスなどが備え付けられていなくて、光が直接室内に降り注がれていた。


その光に照らされた噴水。


流れる水が光を音と共に運んでいる。


私は噴水に近付き、石の上に腰掛けた。


噴水の中を覗き込むと見慣れた自分の顔が映っていた。


揺れ動く自分の顔を見つめながらあの日の光景を思い出していた。


ダークブルーの優しい瞳。


あの瞳はここで見たものだと思う。


水の神殿に訪れるって事は、ガブリエルとは親しい天使だよね。


どういう関係だったんだろう。


あの優しい瞳はガブリエルに向けられたものなのかな?


もしそうならその人はいま何処で何をしてるんだろう。


今まで出会った天使の中にはダークブルーの瞳をした人はいなかった。








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