Purewhite Devil
泉堂 薫の頬にどんどん赤みがさしていく。


そんな泉堂 薫の様子を見て、ガブリエルはホッと肩を撫で下ろした。



「次は私の番ね」



そう言って立ち上がると、ガブリエルはルシファーの方に体を向き直した。



「ひと思いにやって頂戴」



ルシファーはガブリエルの滑らかな髪の毛をひと束すくい上げ、笑みを零した。



『泉堂 薫を生き返らせる代わりにお前の核を望んだが、お前を殺すのは契約内容には含まれていない。もうお前の核は必要ない。好きにするといい』

「そんなーー私はどうすればいいの?」

『さぁなーー』



ガブリエルの顔が悲しみの色に染まった。


二人の間に薄い壁ができていく様だった。



「ノアを苦しめた罰ね。私はやっぱり貴方のいないこの世界で心を無くしたまま、生きていかなければいけないんだわ」

『本当にいいのかーー?』

「え?」

『お前の苦しむ姿を見たくなかった。だからお前を消そうと思った。だが、それは俺のエゴなのではないかとも思ったんだーー』



ガブリエルは涙を流し、首を横に振った。





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