Purewhite Devil

涙のわけ

昼休みの時間になり、須藤さんは席を立ち教室を出ていってしまった。


彼女の事なんて今まで気にした事なかったのに、今では気付けば目で追っている。


薫君とご飯食べるのかな――。


彼女のいない席をボーッと見ていたら、突然どアップで優樹菜の顔が目の前に現れた。


恥ずかしいくらい肩が飛び跳ねてしまった。



「――何」

「何じゃないよ!!最近元気ないけど何かあったわけ?」

「別にな――」

「何もないとは言わせないからね。聞かれたくないならそんな辛気臭い顔してんじゃないわよ」



言葉を遮られた上に、最もな事を言われて私は何も言えなくなってしまった。


わざと怒った様な口調の優樹菜。


心配してくれてる時はいつもこうだ。



「今日中庭で食べよう?天気がいいし」

「いいけど――」

「話たい事いっぱいたまってんだよね」



優樹菜は嬉しそうに笑うと私の手を取り軽快に歩きだした。


本当、可愛い奴。


私は手を引かれるがまま優樹菜の後ろを笑いながら歩いた。






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