Purewhite Devil
「いただきますっ」

『どうぞ』



大好きなガトーショコラをフォークで一口サイズに切り、口に運んだ。


んー美味しいっ!!


クスクス笑う声がして顔を向けると、可笑しそうに望先輩が笑っていた。


どんな表情でも綺麗な顔が崩れる事はない。



『それ、好きなんだね』

「はい、美味しいですよ。食べますか?」



頬ずえをついてこっちを見る望先輩からは、思わずドキッとしてしまうような色気を感じた。



『食べさせてくれる?』

「へっ――!?」

『あははっ、冗談だよ』



顔がどんどん熱を帯びていく。


そんな私を満足そうに見つめ、コーヒーを飲んだ彼。


その余裕の表情が何だか悔しかった。






< 83 / 343 >

この作品をシェア

pagetop