モノクロ*メランコリック
「真白がそういう『意地悪』をするのは、あんた限定だけどね。気づかなかった?真白は、いつもアホみたいに悩みまくるあんたのこと、楽しそうに見てるわよ」
………楽し…そうに…?
え?
確かに、私がアホみたいにいつもムキになって、意地を張ってシロと接しているのはわかってるわ。
ええ、自覚はあるの。
だけどそれを…シロが、面白がって見てたっていうの?
今まで?
「真白は、隠すのが上手いもの。いわゆる『王子様スマイル』ってやつで、あんたの前では絶対に見せてこなかったわ」
「………………」
私が今まで、まっしろな笑顔だと思っていた、あの穏やかな表情の裏で。
シロは、あの意地悪な顔を隠していたというの?
そしてそれを、りさは知っていた。
意地悪するのも私限定で、隠すのも私限定で………
…そうだわ。
あのときも、そんなことを言ってた。
私は、数日前のシロとの会話を思い出した。
『シロ。いい加減、学校で話しかけちゃいけない理由を教えてよ』
三日前、一日目のテストが返ってきて撃沈していた放課後、シロの家で。
これだけは訊いてやらないと気が済まないと思い、私は勇気を振り絞って尋ねてみた。