モノクロ*メランコリック


ちらりと視線を後ろに向けると、相変わらず机に突っ伏して、グースカ寝息を立てている竜崎くんが見える。

やっとこの前お母さんが退院したらしくて、また彼は元気にお兄ちゃんをしてるみたい。

よかったよかった。



…なんて、思考を竜崎くんに向けてはみても。

やっぱりすぐに、頭のなかはシロ一色になる。



……はぁ。

思わず、心のなかでため息をついた。


嘘でも、彼女にしてしまえるんでしょう?

私が竜崎くんと話してたら、あからさまに不機嫌な顔をして。

私の本当の性格で話せる男子が増えてしまうのを、嫌がる。

これってもう、私がそう思ったって仕方ないと思うのだけれど?


シロもさすがに、私の気持ちには気づいているだろうし。


仮に私のこと好きだとしたら、どうして私の気持ちに気づいていながら、誤魔化すのかしら。


私はシロのことが好きで、シロも私のことが好き。

両想いで万事解決じゃないの。めでたしめでたしって感じ?


…けれどそうは行ってないから、困っているのよね。



< 231 / 361 >

この作品をシェア

pagetop