モノクロ*メランコリック
ちらりと視線を後ろに向けると、相変わらず机に突っ伏して、グースカ寝息を立てている竜崎くんが見える。
やっとこの前お母さんが退院したらしくて、また彼は元気にお兄ちゃんをしてるみたい。
よかったよかった。
…なんて、思考を竜崎くんに向けてはみても。
やっぱりすぐに、頭のなかはシロ一色になる。
……はぁ。
思わず、心のなかでため息をついた。
嘘でも、彼女にしてしまえるんでしょう?
私が竜崎くんと話してたら、あからさまに不機嫌な顔をして。
私の本当の性格で話せる男子が増えてしまうのを、嫌がる。
これってもう、私がそう思ったって仕方ないと思うのだけれど?
シロもさすがに、私の気持ちには気づいているだろうし。
仮に私のこと好きだとしたら、どうして私の気持ちに気づいていながら、誤魔化すのかしら。
私はシロのことが好きで、シロも私のことが好き。
両想いで万事解決じゃないの。めでたしめでたしって感じ?
…けれどそうは行ってないから、困っているのよね。