モノクロ*メランコリック


「ミアちゃん、やってくれるよな?」


委員長が、ニコニコとこちらを見てくる。

その視線は期待でいっぱいで、私はもはや「…うん」と返事する他なかった。







「…その割には、嬉しそうね?」



一週間後の、帰り道。

もらった台本に目を通しながら、ニヤニヤしてしまう。

そんな私を、りさは苦笑いで見てきた。


「嫌だったんじゃないの?」

「嫌だなんて、一言も言ってないわよ。私はこの一週間、台本が完成するのを心待ちにしてたんだから」


…だって、ねえ?

クラス劇とはいえ、主役よ、主役。

しかもお姫様!

みんなさすがだわ。わかってる。私の扱い方。


やっぱりそうよね、お姫様といえば、私がするしかないわよね?


ふふふ、そーんな期待されちゃったら、頑張るしかないじゃない。

やってやるわよ、白雪姫。

とことん可愛く美しい、白雪姫を!!




< 235 / 361 >

この作品をシェア

pagetop