モノクロ*メランコリック
私は気恥ずかしくて、ふいっとシロから目をそらした。
「…シロの、馬鹿」
「馬鹿でいいよ。美愛子が可愛いのが悪い」
そう言って、シロは私の頬にキスを落とす。
……なんなのよ、この男。
今まで、こんな風に私のこと『可愛い』なんて言ったことないくせに!
言われ慣れてるはずなのに、好きなひとに言われる『可愛い』は、威力が百倍だわ。
「…私が可愛いのは、当然よ」
「はいはい」
シロはもう一度、私を抱きしめた。
本当に大事なものを抱くように、彼は私を包み込む。
ふんわりと、それでいてじわりと、私の中に愛しさが広がった。
…誰もいないとはいえ、教室でシロとこんなことしてるなんて。
今日の記憶だけで、ご飯四杯…じゃないわ、何考えてるのこの変態。