モノクロ*メランコリック


ざわざわと、昼休みの廊下は騒がしい。

そのなかで、柳田さんの可愛らしい声が聞こえた。


「……そう、だなぁ。私が好きなのは……」


本当に、悔しいから。

いいわよ、もう。

まっしろな彼女には敵わないなんて、そんなの。

思いたく、ない。



「…いちばん、ホットケーキが、好き」



周りに聞こえるように、少しだけ大きな声で。

私は笹原くんを見つめて、言った。


…ホットケーキが、好き。

大好きな彼が作る、ホットケーキがね。

それはまるで、自分に宣言をするみたいだった。


もう、『シロが好き』だということから、逃げたくない。

素直に笹原くんは頷いて、「ホットケーキかぁ。パンケーキとかあるかなー」と笑いかけてくれる。

私も「あるといいなぁ」なんて、笑って返した。




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