Sweet moment.
そのお客さんのみの状況が、1時間続いたくらいだっただろうか。
ようやく店の扉が開くベルの音が聞こえた。
私は満面の作り笑顔でそのお客さん達に会釈をして、来店されたお客さんのお出迎えをしに向かった。
「いらっしゃいませ。
あ!峠さん!」
来店したのは峠さんとお連れ様2人の合計3人。
その内の一人はすぐにお手洗いに入って行き、顔を確認することも出来なかった。
「今日寒いなぁ。」
と、ジャケットを脱ぎながら峠さんが体を震わせる。
軽く会話を交わしながら2人のジャケットを預かり、チーフに渡した後すぐ峠さんのボトルとゲストグラス、チャームがセットしてある席に誘導した。