甘くて切なくて、愛おしくて
仕事も何とかこなし、帰りの電車に乗り込んだ。
ほぼ押し込まれるような形で乗ったので、座る場所は勿論、
身動きもろくに出来ない。
そんな状態のまま30分ほど揺られると自宅近くの最寄り駅に到着し、
追い出されるような形で電車を降りた。
改札を出ると、外は既に暗く、
空にはちらほらと星が出てきている。
都会にも関わらず、星がこうして綺麗に見えるのは珍しい。
あまり空なんか見上げた事のなかったあたしは、
最初に都会の空を見上げた時、かなり驚いた。
あの時は憧れの場所にいる事がたまらなく嬉しくて、
みるもの、きくものにえらく感動してた。