お前限定★LOVE

噛み付く犬みたいに強く睨み付けたら、「馬鹿」と数メートル離れた場所からでも、当麻の口が開いたのが見えた。



むっ、ムカつく!馬鹿にしやがって!


一年早く生まれたからって調子に乗るんじゃねぇよ!



口の両端は、ひくひくと微かに動いて、握った拳は震える。


立ち尽くす俺を置いて、当麻がこちらへやって来たと思ったら、俺を無視して渚の隣にすんなりと引っ付く。



「ブス。口に飯が付いてんぞ」



「ほら」って最後に付け足して、渚の口の横に手を出して、小さなご飯粒を取ると、確かめるように渚に見せた。


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