お前限定★LOVE

「や…優しい、ところです」

「…アイツ意地悪だろ。優しさの欠片もねぇよ」

「小さい時から優しいです。…意地悪だけど、優しい…です」



小さくて、可愛い唇をゆっくり動かし、頬をピンク色に染めて笑う渚に、傷つく胸。


だったら俺だって優しいよ。お前に優しく接してる。当麻よりも。



震える唇。喉からどうしても出ない言葉に苛つく。



「ふーん。ま、いいや。それより──」



俺とのやり取りが終わると、再び本を読もうとする渚に前のめり。お前が相手するのは本じゃねぇだろ。



お前が今、相手するのは俺だろが。


< 30 / 66 >

この作品をシェア

pagetop