この場所で。
…………ガチャ、とドアの開く音で目が覚めた。
こんな所、滅多に人なんて来ないと思って、油断した。
念のために鍵を閉めておけばよかった、と
寝起きの頭でそんなことを考えていた。
「………誰……?」
目を擦りながら、聞いてみた。
でも、その問いに答えることなく俺に近づいてきた。
「…………治ったみたいだね……」
俺の左頬に手をあてポツリと言うと、すぐにこの部屋から出ていった。
「……………莉緒………?」