この場所で。





…………ガチャ、とドアの開く音で目が覚めた。


こんな所、滅多に人なんて来ないと思って、油断した。


念のために鍵を閉めておけばよかった、と

寝起きの頭でそんなことを考えていた。






「………誰……?」


目を擦りながら、聞いてみた。


でも、その問いに答えることなく俺に近づいてきた。



「…………治ったみたいだね……」



俺の左頬に手をあてポツリと言うと、すぐにこの部屋から出ていった。













「……………莉緒………?」






< 58 / 59 >

この作品をシェア

pagetop