Quiet man
「・・ほんとに平気?」

「うん、へーき・・。」



さっきのあの状態では

皆を心配させただろうが、

あたしはだいぶ

車の中で落ち着いてた。


つい朝子のお腹の子の事を

考えられるぐらい・・。


克哉はまだ、

朝子と別居中だと云ってた。


(そろそろ

臨月になって来るのに・・)


そしてその後調書を取った。


傍には

神足さんが付き添ってくれたが、

あたしが状況を話すたんびに

彼の表情が強張るのが解って・・。


帰り道の車の中でも、

彼は更に

無口になってしまっていた。



「怒ってるん?」

「・・ナギに? 違うよ。」

「・・・そう?」

「うん」



拉致された現場を

黒服のコが見つけ後を追ったが

他の車や信号に阻まれ、

見失ってしまったらしい。


それで捜索願いを

ママが出したワケだ。


だから・・

あたしは一応被害者って事で

怒られる事は・・ないハズ・・。





< 103 / 254 >

この作品をシェア

pagetop