Quiet man

彼は、開いているドアに

ノックする事はないから

そのまま入ろうとしただけ。



で、顔をあげたら

ハンケツの女がおったと。




うう・・、早よ降りたい。




彼がトイレを済まして

戻って来た。


やっぱり、互いに無言だ。

絶対もう、顔もよう見られへん。




「お先に・・!」



到着した早々、

あたしは荷物を取り出して

逃げる様に降りて行った。

駅を出るなり、

急いでタクシーを拾う。


一刻だって

近くに居たくなかったのだ。



あたしもまだ、

一応の恥じらい位はあるんやし。


飛び込むように乗り込んだ、

車内のクーラーが・・

赤面した顔に効いた。





そしてやっと、マンションに着き

荷物を降ろしたところだ。



「これで

家賃八万やもんなー、狭っ・・!」



大阪では

ちょっとハズレに住んでたから

八万も出したら

もっとエエトコかと思うやん?


兎に角、一部屋が狭い!


最近の流行なんかして、

家具とか備え付けやから

まあ便利はよさげ。



それにしてもウズウズする。

仕事は明日から。

ちょっと嬉しいのか

ジッとしてられへんねんなー。