Quiet man
ドンッ。



ほら。

揺れてるせいか

ドアの開く音も凄い。


何気にパンツを上げながら

ちょっと振り向いた。



「えっ!!」



がァーんっ!!



ドア向こう、丸見えやし!!


さっきの"ドンッ"て、

ココかいっ!



( 早くせな・・! )



予期せぬ出来事に

先にぱんつを上げるか?

ドアを閉めに行くか?

しょーもない、軽いパニック。


しかもそこへ、今にも

"めっちゃ、フツウ"に

入って来ようとしてる、

隣の席のあの男。



「 あ! 」



つい声を上げてしまったせいで、

男が顔を上げた。



「 !! 」 



ビシャ!


ドアを閉めてくれた親切な男は

唖然とした顔の後、

ギュと目を瞑ってた。



あぁ

それはほんまに・・

一瞬の出来事やってん・・。



「・・・。」



トイレから出て行った後の

気まずい事。

ドアの外、待っていた男の顔を

見れる筈もなく入れ違う。


彼のせいとちゃう。


あたしが鍵をちゃんと

閉めきってなかったせい。





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