Quiet man
god mam
「悪いんだけど、俺達そんな

ご大層な式とかやるつもり

ないからって、

牧さんに伝えといて貰えます?

・・じゃあ。」




朝、

名刺の裏の携帯の番号に掛けて

彼が愛想なく

断っているのを聞いた。


ふと思う。

あたしは二度目になるから別に

籍入れるだけで良い様に思うが

彼は初婚だし、身内とか

呼ばなくていいんだろうか?


"カリスマ・ロッカー"である

彼が考える結婚式って・・

一体どんなんやろ。



「・・・・違うな。」



彼が昨日持って帰って来たのは、

ウェディング・ドレスの

パンフレット。

顔なじみの

衣装さんに頼んでいたらしい。

フツウ、

女のあたしが見るべきものを

彼は熱心に

片っ端から全部チェックしてた。



「これなんかカワイイ・・」

「違う」

「じゃ、文金高シマ・・」

「却下」



・・・何を云ってもムダみたい。

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