Quiet man

何処にも居ない?



「ちょっと・・! ゴディよ!?」

「まさか・・!」




神足に焦りが出た、

知る人ぞ知る者が騒ぎ始める。


今は握手やサインに

応じている場合じゃないのだ。




「________ !」




ポケットの中、

携帯が震えて鳴った。

人目はばからず開いて見る、

メールである。



「あ・・!」



『何処にいるの? 

うちで待つ!   ナギ 』



サイン攻めに合う前に、

気付かないフリで

猛ダッシュで戻るのだった。


どうやら

入れ違いになったらしい。




「もー。鍵、

開けっ放しやったよ?

・・神足さん? あ・・!」



ヅカヅカと部屋に戻ってきては

皿を洗っていたナギを振向かせ

少し、乱暴にグイと抱き寄せた。



「んぅ・・___ 」



驚きの目の色をした彼女に

お構いなく

噛み付く様に唇を奪ってしまう。



(ヤいてるワケじゃないんだぞ)



勝手な取り越し苦労で

済んで良かった・・

そう思いながら。


だが、コレで気が済む訳は無い。



「エ・・・? どこ・・へ?」

「・・五月蝿い。」

「!?」



汗をかいた神足は

有無言わさず彼女の腕を引っ張り、

バス・ルームまで強制連行した。



「待って・・服は?

神足さん・・!? 濡れる・・!」


「此処でいい」

「冷たい・・っやあ・・んんッ、」



キュッキュッ・・、


タイルに彼女を押し付け

唇を奪い続けながら、一気に

シャワーの蛇口を片手で捻った。




____その頃、隣のベランダでは。




宮下ハルミは

背伸びをして笑っていた。

今も、声?のする方向に向って。



「だ・か・ら!!

換気扇から声が丸聞こえなんだ

っつの! ふふ。ったく・・。」




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