Quiet man
____ あたしは此処の住所を

彼には勿論、報せてはいない。


彼の事だ、誰かに

調べさせたのだろうとは思う。


前の夫、克哉は

こっちに来たついでに

顔を見に来ただけだと、

あたしには言っていた。


とは言え彼が

神足なる人物を見てみたいと

思っていたのも否定できない。



「俺とは正反対のタイプだ。

何が良い?あんな痩せた

野良猫みたいな・・。」



などと、喫茶店で私に尋ねた。

この際やし、

ここはハッキリ云っとかんとな。



「彼、クールに見えて何でも

骨太でアツいねん。歌もキスも、

当然、___ アレも。」



「アレってアレか。」


「そう、アレよ。」



ニッコリ笑って云ってやる。


水を入れに来た

ウェイトレスや、

ギョッとする周りは無視無視。



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