Quiet man
「じゃあナニか、俺はホット

じゃなかったってのか?」




全く、アレだのナニだのと。

次は"ホット"ときた。


ここで沈めといたろか。




「んー・・。1人で興奮して

ポッポして、エイエイ、

ヤってるって云う意味では

"ホット"やったんちゃう?」



「・・・・!」



ぷっ・・! と、

何処からか女性の笑い声。




「もーこんな時間。そろそろ

帰らな、ウチの超・男前の

ダーリンが心配するわ。」




・・・・再起不能?



目は空を彷徨い

正木克哉は口を軽く開けて

天井を仰いでた。

このぐらい云うとかな、

また来られても困るんやし。



「ほな、

ご馳走様。サイナラー。」



そうして

彼を置き去りにあたしは

ちゃっちゃと

帰って来たと云う訳。



それやのに息を切らして

戻って来た

神足さんの表情は何故か

複雑で痛い視線を送った。


そして戸惑うあたしを

彼は意のままにしたのだ。

あの、シャワールームで・・。


初めて見る、

暴君の様な激しい一面。


ずぶ濡れの服や下着でさえ

全部脱がさず

淫らな格好のまま、

あたしを好きにしたのだ・・。




______ それは何?

タダの心配・・?

それともヤキモチ?



シャワーの音に

掻き消されそうな台詞、


突き揺らされながら・・

声を上げさせながら・・


あたしの好きな

あの声が耳元で囁いた。





「 ____ 二度と会うな 」









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