キオクノカケラ
第8章

「詩織、絶対にオレと章のそばを離れるなよ」


銃を構えて外を見る結城くんに、私は無意識の内にこくりと頷いていた。


何なの……、一体。

結城くんも

章さんも

外の人たちも

どうしてみんな拳銃なんて持ってるの?


晴輝って誰?

利用?

意味わかんない……。


怖い………

自然と顔が下がって、両手をぎゅっと握ったとき、ふわりと頭に何かが覆い被さった。

驚いて顔を上げると、そこには不敵に微笑む二人の姿。


「あの……これ……」


「それを頭から被っていれば安心ですよ。
完全防弾の布ですから」


「ま、そんなの無くたって、オレがいる時点で安心だけどね。

どっかの誰かが足を引っ張らなきゃ、の話だけど」


「その言葉、そっくりそのままお返ししますよ」


二人とも、優しく微笑みかけてきてくれたと思ったら

すぐに火花を散らし始める。

そのやり取りが面白くて
つい、笑みが零れた。


「ふふ、ありがとう。
私、二人のこと信じてますから」


そう言うと、二人も微笑んで頷いた。

そして結城くんはシートを開けると、中から黒い塊を取り出した。


「それ、なに?」


「これかい?これはね……――」


彼は私を横目で見ると、銃で窓を撃つ。

そして塊の上に付いている何かを歯で取ると。

穴の空いた窓から外へ塊を放り投げた。

その瞬間


ドオンッ


外で大きな爆発音が響く。

それと同時に白い煙が私たちを取り巻いて、だんだん結城くんが見えなくなっていく。


「ちょっ、やだ!
結城くん!!」


慌てて手を伸ばせば、しっかりと手首を掴まれて
ぐいっと腕を引かれる。


「大丈夫かい?」


「う、うん…」


勢いよく腕を引かれて、見事に結城くんの胸にダイブした私は

驚きつつもこくこくと頷いた。


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