“俺の女”
「病室、行こ?」
「あぁ」
ゆっくりと立ち上がり
先生に聞いた病室へと向かった
ドアを開けると
そこは個室で
ベッドの上に寝ている
理乃さんを見た
「今はまだ麻酔が効いて
寝ていますので
目を開けたらお知らせ下さい。
また伺いますので」
「はい」
看護婦さんは病室から出ていった
理乃さんの横まで行き
3つ置かれた椅子に座る
手首に包帯が巻いてあり
口元には白いテープが貼ってあった
手首の包帯‥
リストカットだ
「こいつ家にある薬を
全部飲んでた…
朦朧(もうろう)の中
手首切って
風呂場で意識なくしてたんだ」
薬‥?
いっぱい飲んじゃうと
体によくないって
知ってるけど
こんな大事に関わるんだ…
「電話掛けて俺が着くまでに
リストカットしてた…
もう少し早く行けば
ここまでは…」
自分を責めるヒロさん
そんな姿‥見せないで
いつものヒロさんは
どこに行っちゃったの?
「ヒロさんは悪くないよ。
理乃さんは絶対
ヒロさんを責めたりしない」
駆け付けてくれた
必死になってくれた
絶対に
責めたりするばずないよ