ホワイトキャンバス
「ぁっ…」


自分の小さな悲鳴で、我に返った。
目をあけると、青白く光る天井が見える。


しばらくぼーっと見ていたら、ガタンと音がして私は身を竦めた。


恐くて音がした方を見ることさえ出来ず、固まってしまった。


人の視線を感じる。
足音と共に、近付いてくる。

そして、黒い影で天井が見えなくなった瞬間、またぎゅっと目をつぶった。






「っ…ごめんな、恐かった?」


身体のどこにも、痛みはない。
代わりに、パパより高い男の人の声がした。





……あれ?



おそるおそる目を開けると、天井しか見えない。




「…だいじょうぶ?」



声のした方を向くと、少し離れた位置に、知らない人が立っていた。

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