天の邪鬼な彼女に、甘いキスを。~ White Day ~ (完)
「…ほんと、お前らって似た者同士だよな。気持ちなんて、ちゃんと素直に言葉に出さなきゃわかんねぇよ?」
「……オレは…」
言ったか?
自分の素直な気持ち、一度でも亜美に伝えたか?
でも、あんなケンカして…
「…今さら何て言えっていうんだよ」
「考えればわかるだろ?簡単な一言でいい。変なプライドなんて捨てろよ」
「………」
―――くそ。
はぁ、と息をつき、オレは立ち上がる。
悔しいけど、悠の言ってることは間違ってない。
教室の方に向かって歩き出す。
『せいぜい頑張れよ』って言葉が、後ろにいる悠から聞こえてきた。