真夏の雪
鈴「いってきますっ。お母さん。
私はユキさんの方を向いた。
鈴「いってきます!
…ユキさんっ。
雪斗「鈴。
鈴「はい?
雪斗「別に呼び捨てでいいぜ。
鈴「…ユキ。
…………さん。
雪斗「いや;別に嫌ならいいけどよ。
私は激しく首を横に振った。
雪斗「んじゃよろしく。
鈴「…いってきます。
扉を開け私は学校に向かった。
雪斗「…思春期だな。
いつもの通学路。
いつものパン。
…何かが違った。
そう…
あの人が私の前に現れてからだよ。
あの人に似てる。
…冬夜(とうや)。
残酷。その一言。
もう現れない…
もう会えない…
そう思ってた。
でも…ユキさんは違う。
あの人じゃない。
でもせめて…
好きになりませんから…
あなたを思いませんから…
絵を…見てもらえませんか…?
…長い…長い坂道。つまづけばすぐ転げ落ちそうな…
学校への道のり。
まるで私の人生みたい。
声「鈴ー!
鈴「あ、佳奈(かな)ちゃん。
おはよー。
佳奈「今日学校はやく終わるしどっかいかない?
鈴「え?どうして?