初恋タイムスリップ(成海side)
次の日の朝、
家を出て、学校へ向かって歩いていたら、
バコッと後頭部を叩かれた。
「いっ、痛えぇ・・・」
頭を抑えて、隣を見ると、
篤志が立っていた。
「あ、ごめん、バッグが当たっちまった」
「んなわけねーだろ!なんだよ」
篤志と並んで学校へと歩き出した。
「なんか・・いや・・その・・なんだ・・」
篤志はぶつぶつと、
訳のわからないことをつぶやいていた。
「付き合うことになったよ」
そう言ったら篤志は、バシバシ俺の肩をたたいてきた。
「だから、痛えっって!篤志!」
「よかったな!成海!
俺・・俺も告白すっから!姉ちゃんの友達に!」
篤志も・・そうか。
俺は、バシッと篤志の背中を叩いた。
篤志は「ウオ!!」と叫んだ。
「て、てめー何しやがんだ!」
「気合だ。気合を注入してやったんだよ。
誰かさんもしてくれたからな」
篤志は、ふにゃっと笑った。
「ついでに、この変顔も成海やってくれよ」
「それは、無理」
「気合注入と変顔はセットなんだよ~」
なんだそれ。
そんな風に、篤志とバカやりながら、
校舎へと入っていった。