初恋タイムスリップ(成海side)
一学期、部活最後の大会を控え、
朝練が始まった。
俺と篤志は、いつもより早く学校へ向かっていた。
「大会終わったらもう引退だな。
そしていよいよ受験かぁ。
俺、K高受験できんのかなぁ…」
篤志は深いため息をついた。
「一緒に行くって約束だろ?
絶対守れよ」
俺は笑って言った。
「成海は余裕なんだろうな〜
俺は…まぁ、頑張るって…
なんだ?
あいつ、何やってんだ?」
校門を通って、ロータリーに入り、
校舎の玄関の中に目をやると、
前野が下駄箱の中に手を突っ込んでいた。
「成海…あそこの下駄箱、
お前らのクラスの場所じゃねぇよな。
俺のクラスの
女子の場所だ」
篤志にそう言われて、嫌な予感がして
俺は、前野の元へと走った。
前野は入れ違いに階段の方へ行ってしまって、
俺は美音の下駄箱を探した。
桜木
桜木
あった……
美音の下駄箱は上履きがなくて、
丸められた紙がだけが入っていた。
「どうした?」
篤志がそばにきて、
俺はその丸められた紙を 開いた。
【死ね】