初恋タイムスリップ(成海side)
「あのさ、俺…
夏休みに同窓会があったんだ」
アイスを食べ終わり、
篤志が少し気まずそうに話し始めた。
「同窓会?」
「うん。中3の俺のクラス」
中3の篤志のクラス………
「あ…いや…
桜木は来ていなかったんだ」
久しぶりに美音の名前を聞いて、
ドキッとした。
「成海…桜木のこと、
今どう思っているんだよ」
篤志はアイスの棒を、ごみ箱に投げた。
高校に入って、篤志と美音の話しをするのが、
初めてだったから、
いきなりの質問で、俺はどう答えていいか、悩んでしまった。
「まだ、好きなのか?」
俺も棒をごみ箱に捨てた。
時間が経てば忘れられると思って、
忘れられる日を
ずっと待っていたのに。
なかなかその日は
こなかったんだ。
「どうやったら
忘れられるんだ。
みんな、どうやって好きになった人を
忘れていくんだ。
俺には、わからないんだ。
だから、いいんだ。
無理に忘れようとしない事にしたんだ。
いつか、忘れる。
忘れると思う」
「忘れる必要なんかあるのか?
会いたいと思わないのか?」
強い口調で言った篤志に、何かあったのだろうかと少し気になった。
「なんだよ、篤志。
突然どうしたんだよ。
ずっとこんな話ししなかったじゃね−か。
篤志。
俺は会いたいとは思わない。
俺は…忘れたいんだ」