初恋タイムスリップ(成海side)



山沿いの道を篤志と毎日一緒にこいで学校へ行き、

また毎日一緒に帰った。


見渡す限り山とたんぼと畑と森と……



とにかく緑だ。

緑以外にあるとしたら、

ちょうど学校と家の真ん中あたりにある

マル屋。


自転車をこいでいる間は風にあたって少しは涼しかったけど、


マル屋について自転車を停めると、


ジリジリと太陽が照り付けてきて

無茶苦茶暑かった。



俺達はマル屋でアイスを買って、


店の外の木の下にある古ぼけたベンチに座った。


座った瞬間ミシミシッと音がするこのベンチにも

もうすっかり慣れた。




「あ〜〜アイスうめ〜」


篤志がそう言って食べ始めたら、

頭上、至近距離からツクツクホ−シが鳴き出した。



「9月ってさ、秋じゃね−な。
真夏だ真夏」






篤志とはずっと、変わらない。


ずっとこうしていつも一緒にいた。



< 97 / 143 >

この作品をシェア

pagetop