初恋タイムスリップ(成海side)
山沿いの道を篤志と毎日一緒にこいで学校へ行き、
また毎日一緒に帰った。
見渡す限り山とたんぼと畑と森と……
とにかく緑だ。
緑以外にあるとしたら、
ちょうど学校と家の真ん中あたりにある
マル屋。
自転車をこいでいる間は風にあたって少しは涼しかったけど、
マル屋について自転車を停めると、
ジリジリと太陽が照り付けてきて
無茶苦茶暑かった。
俺達はマル屋でアイスを買って、
店の外の木の下にある古ぼけたベンチに座った。
座った瞬間ミシミシッと音がするこのベンチにも
もうすっかり慣れた。
「あ〜〜アイスうめ〜」
篤志がそう言って食べ始めたら、
頭上、至近距離からツクツクホ−シが鳴き出した。
「9月ってさ、秋じゃね−な。
真夏だ真夏」
篤志とはずっと、変わらない。
ずっとこうしていつも一緒にいた。