君と俺の事情


結未姉ちゃんは、自分で親不孝だって言うぐらい、罪悪感持ってるからね。
考えちゃうと、抜け出せなくて、だんだん疲れるらしい。


「明後日、俺出張な」

「ホントに!?」


静まってた部屋にいきなりの言葉。
俺は驚いた。
遊我兄ちゃんいないのか…。
まずいな…。
何がまずいって?
…結未姉ちゃんだよ…。
友達連れ込むからだよ…。
めんどくさ。


「四日ぐらいだな」

「よ、四日!?」

「何、淋しいの?マジか〜嬉しいなぁ!集がそんなに思ってくれてるなんて〜」

「いや、結未姉ちゃんがあれだから。遊我兄ちゃんを心配してるわけじゃない」

「…あーそーかい!」


…拗ねかけて、る?のかな?
遊我兄ちゃんは、そっぽを向く。
…この人は!!
相手してもらえないガキか!!
んな顔して拗ねたって、何も出ないよ!!
つか、出さない!!
しかも、可愛くないから!!
てか、顔とのギャップ!!
二十代のオッサ…お、お兄さんがやっても、全然可愛くないから!!
しかも男だし!!


「遊我兄ちゃん」

「…なに」

「可愛くないよ」

「……るっせぇ!!」

「…え、逆ギレですか?」

「逆ギレじゃねーわ!!」

「暴力反ー対」
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