俺様☆キング
 ガシッ。
 私は腕を掴まれた。

「えっ…んんっ…」

 私は視界を遮られた。 
 私キスされてるー!?

 何で! 混乱してると彼の舌が私の口の中に入ってきた。
 嫌だ…怖いっ!!
 
 パンッ。
 私はこの人の頬をビンタしてしまった。

「いってぇ…」

 しかもかなり強く…。

「ごめんなさい!! スイマセンでした!!」

 私は全力疾走で走った。
 どうしよ! やっちゃったーー!!
 明日会ったら絶対怒られる! 怒られるだけじゃ済まないよー!
 ギュッと手を強く握ったら手の中に何か入ってる事に気付いた。

「これネックレスだ。あの人のかも…でも女物だよね? 彼女とかのだったりして…」

 『彼女』…自分で言っておいて何気ショック受けてる。彼女いるとするなら何で私を…。

 ー次の日ー

 返さなきゃいけないと思って持ってきたのは良いけど…どうやって渡そう。そう言えばクラスも名前も分からない。
 廊下でおどおどしていたら突然話しかけたれた。

「束岡…?」
「えっ…及川光輝君?」
「そうだよ! いやぁ~同じ高校だったんだな」

 及川光輝君。小学校一緒で、かつて恋した相手。告白はしなかった。振られて話せなくなっちゃうのが嫌でしなかった。

「懐かしいなぁ。何かお前可愛くなったな」
「ほんと!? 嬉しい♪」
「もし良かったら…その…俺と付き合わない?」
「えっ…」
「俺っ、小学校の時から束岡が好きだったんだ! だからっ…」
「そいつ、俺のだから」

 そう言って肩を抱いてきた、金髪君。

「私、いつアンタのっ…」
「行くぞ音子」
「えっ…ちょっ!」

 私は光輝君を置いて金髪のこの人に連れて行かれた。

「ちょっと何するんですか!?」
「…」

 無視かよ!?
 行きついた場所は、もちろん屋上。

「ちょっと!」
「お前は俺の女だ。忘れんな」
「私が、いつあなたの彼女になるって言った!?」
「俺がなれって言った、その日からだよ!」
「勝手です! 私は好きな人とだけ付き合うの! あなたみたいに冗談で告白して遊びで付き合うような事はしない!」
「俺は本気だって言ってんじゃねぇかよ!」
「っ! あ、そう言えば前忘れ物したよね?」

 私は彼の威圧感に負けて話題を反らした。

「あぁ?」
「はい」

 私はポケットからネックレスを出した。

「…はぁ。それお前になんだけど」
「えっ」
「お前のプレゼントだよ!」
「何で私に?」
「好きなヤツにプレゼント買って何が悪いんだよ」

 この人は本気かも…。でも今頭に浮かぶのは…光輝君の顔…。

「お前、俺の名前知ってんのか?」
「えっ…知らない」
「やっぱりな、お前名前一回も呼ばないから…俺1-Dの榎田慧」
「榎田君…」
「慧で良い。俺だって音子って呼んでるし」
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