恋愛の条件
最初の生ビールで乾杯した後、修一の口から零れたのは、仕事の話でも、女の話でもなかった。

「お前、今日元彼と会うはずだったんだろ?」

唐突にそんなことを聞かれ、ビールを吹き出しそうになったのを覚えている。

沙希から聞いたのだろうか、何故知っているのか、とういうより、何故そんなことを聞くのか、という疑問の方が大きかった。

つい饒舌になり、寄りを戻そうと言われていることを話してしまった。

「へぇ、モテモテじゃん」

と低く笑ったが、瞳の奥は笑っていなかった。

その日の修一は、どこかいつもと違って、奈央は居心地の悪さを覚えた。

視線ひとつ、熱い。

時折触れてくる指先は明確な意思を持っているようで、奈央の女の部分を引き出す。

(これは危ない……)

頭の中の警報がなったとき


耳元で低く囁かれた。


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