恋愛の条件
ムードも色気もへったくれもない言葉。

好きと言われたわけでもない。

ただ、『奈央と』と言われたことが嬉しかった。

返答を待たずして、脚を割って入ってくる指が太腿の内側を撫で、耳元で囁いた唇は、首筋を這う。

奈央のなけなしの理性を飛ばすのに、数秒もかからなかった。

その後、修一のマンションで、奈央は初めて彼に抱かれた。

修一は咳を切ったように激しく奈央を求め、奈央も無我夢中で彼に応えた。

愛の囁きもない、ただお互いを貪るようなセックス。

それでも、奈央にとっては蕩けるような甘い時間だった。

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