恋愛の条件
その内示を見たとき、自分に何が起こっているのかわからなかった。

心臓が跳ね上がるかと思ったが、逆に不整脈のようにドクン、ドクンとゆっくり鳴る。

上手く呼吸ができていたのかも覚えていない。


ただわかるのは……

修一は行くのだろう。

海外勤務を希望していたのは、前から知っていた。

いつかは海外転勤になるだろうという噂も聞いていた。

修一を忘れたくて、さっさと海外勤務になってくれ、と思ったこともあった。

だけど……


「-----どうして?」


溢れる涙と一緒に喉をついて出た言葉はそれだけだった。

内示の前に、部長から案内があったはずだ……

特に海外勤務は一カ月前には通達される。

わかっていて……

どうして自分を抱いたのか?


< 137 / 385 >

この作品をシェア

pagetop