恋愛の条件
「もう、佐野さんったら……」

「す、すみません」

慌ててしゃがむ佐野の横に一緒に座り、奈央はにっこり笑う。

「裕樹、佐野さんのことがすごく大事みたい。私が苛めないか確認してきたわ」

「山下さんがそんなことを……」

口調は咎めているのに、佐野の大きな目がパッと見開く。

「大事な後輩にそんなことするわけないのにね、失礼しちゃうわ……」

「ひ、広瀬さんは、私の憧れで、大好きなんです!広瀬さんを見ていて、それで、山下さんにも憧れて……あの、同じ部署になれてすごく嬉しかったんです!!」

急に佐野が詰めより、奈央はバランスを崩す。

「さ、佐野さん、わかったから、声を沈めて?」

「あっ、ごめんなさい……」

尻餅をついて後ずさる奈央に、膝をついて詰め寄る佐野。

自分たちの姿におかしくて、お互い目を合わせて笑った。



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