恋愛の条件
(欲しいもの……?どうゆうこと?)


黙り込む奈央に修一の拘束が少し緩んだ。

その間から顔を上げれば、少し意地悪い彼の顔が見える。

「だから、山下と五十嵐にスキ見せんなよ?」

「はぁ?」

裕樹はともかく、何故そこに五十嵐の名前が出てくるのか、奈央には理解できない。

そもそもどうしてそんな話に飛ぶのかも……

そんな奈央に、修一はお前は変なところで鈍いよな、と低く零し、苦虫をつぶしたのような表情を浮かべる。

「修の言っていることが全くわかんない」

「今にわかるさ」

そう言い、髪に優しいキスをひとつ落とすと、修一は奈央を解放した。

「プッ……少し落ち着いてから行った方がいいんじゃないか?そんな赤い顔して戻れないだろ?」

からかうようなその表情は、いつもの修一に戻っていた。


< 156 / 385 >

この作品をシェア

pagetop