恋愛の条件
部への昇格祝いに、歓迎会、サイバーマイクロ社との取引成功の祝賀会と、全てを総して、海外開発部初の飲み会が持たれた。

部長の乾杯の音頭と共に、興奮気味の社員達は一気に盛り上がりを見せた。

「何か…すごい盛り上がりですね~」

ビール瓶を持った佐野がちょこんと奈央の横に座る。

形だけビールを注いでもらうと、奈央は一口だけすすってテーブルに置いた。

「サイバーマイクロ社相手の取引に成功しただけじゃなく、アメリカの本社の方にもシステム導入をしてもらえることになったんだから」

「あの二人ってやっぱりすごい方たちなんですね?うっわ、半端ない注がれ方されてる……」

佐野が修一と片桐の様子を見て、ほうっとため息をついた。

「確かにプレゼンはすごかったもの……」

「広瀬さんもプレゼンチームのメンバーだったのに。あの中に入らないんですか?」

佐野が自分に構わずどうぞ、と視線を送る。

「私、あまり飲めないのよ。あの中にいたら匂いだけで酔っちゃう…」

「そうなんですか?以外……広瀬さんってすごく強いのかと思ってました」

「よく言われる。実際、このビール一杯飲むとフラフラになって二杯飲むと二日酔いになるの。だから飲みに行くときは友達としか行かないの」

「えぇぇぇ?」

佐野は持っていたグラスを落としそうになる。

「佐野さん、嬉しそうね?」

「だって完璧だと思っていた広瀬さんの意外な一面が……私、お酒は強いんです!」

「それこそ、以外だわ」

「酔いませんから♪さて、注ぎに行ってきますか?」

「あんまり無理しないでね?何か、今日の盛り上り方はすごすぎるから」

ちらっと修一のテーブルに視線を送る。

「でも、楽しそうじゃないですか♪広瀬さんは注ぎにいきます?」

「私は匂いでもうダメだから遠慮しておくわ」


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