恋愛の条件
(どう、いうこと?今……何て言ったの?)


「元々彼には2ヵ月だけの約束で戻ってきてもらったから」


(2ヶ月の約束?課長は……何を言っているの?)


瞠目し言葉を失う奈央に、山内課長は容赦なく現実を叩きつける。

「部へ昇格して落ち着くまでの間だけ彼をニューヨークから呼びよせたのよ。要は彼は期間限定のチーフだったの」

「そん、な……」

「黒沢チーフがいなくなって不安になることもあるかもしれないけど、あなたなら大丈夫だから」

大丈夫?自分は大丈夫なんだろうか?

あぁ、目の前からいなくなってくれた方がいい。

その方がいいと思っていた。

3年前と同じ感覚が蘇る。

呼吸が止まり、不整脈のように心臓がドクンと波打つ。

奈央は、話の途中だと言うのにふらっと席を立った。

山内課長の驚いた表情が視界に入ったが、次の瞬間、その視界が歪み目の前が真っ白になった。


(ダメ……何も考えられない……)


ガターーーン


「ひ、広瀬さん?ちょ、ちょっと、大丈夫?」


(あれ?山内課長の声が遠くで聞こえる……

私……どうしたの……?)


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