恋愛の条件
「修?どうしたの?」

黙ったままの修一は急に奈央をエレベーターのへ引き入れ、そのドアを閉めた。

「修、私乗るつもりは……」

腕を引かれたかと思うと、身体を壁に押し付けられ、唇が塞がれた。

「んん……はぁ……な、何……急に……?」

「そんな可愛いこと言ってるとこのまま押し倒したくなるだろうがっ……」

「///な、何考えてんのよっ……」

「何って奈央のこと♪奈央の服を脱がして、キスをして、身体中に……」

「あーーーーーっ!!もういいから!!」

あられもないセリフを言いながら修一の手は奈央の身体を撫でる。

もう一度奈央にキスをしようとした時、ポーンとエレベーターのドアが開かれる音がした。

「あら?」

「さ、沙希///」

「よう……」

沙希の視界の前には、発情魔に犯されそうな親友の姿。

真っ赤な顔をしている奈央を一瞥し、何事もなかったように『閉』ボタンを押す。

「別に離れなくてもいいわよ?『今までキスしてました』みたいな顔して……」

「////」

「中学生の恋愛じゃないんだから、会うたびに発情してどうすんのよ?」

沙希のことばは取りつく島もない。

「医務室占領しないでよ?」

「そ、そんなんじゃ……」

「黒沢チーフ?唇に口紅がついてますよ?」

「あっ、マジ?」

修一は悪びれもなく、唇に残る奈央の口紅をふいた。

「バカップル……」

そう言ってエレベーターを降りようとした沙希をまだ頬が赤い奈央が呼びとめた。

「沙希、ランチ一緒に行こう。何か……いっぱい話すことがあるの……」

「クス……もちろん奈央のおごりね?」

「ぅ……ハイ……」

「12時頃にエントランスで待ってるわ。遅刻厳禁よ!」

「ハイ……」

エレベーターのドアが閉められ、修一はもう一度奈央を抱き寄せ、キスの雨を降らせた。



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