恋愛の条件
でも今思えば-----

あれは本当に『我慢』だったのか疑問だ

俺は逃げただけなのかもしれない

好きな女と仕事の二者一択に、足元をすくわれたように臆病になった

その真っ直ぐな想いが重くて、責任という言葉がチラついて、

でもあいつの中に俺という存在を刻みつけたかった


そして……

その後には、当たり前のように襲ってくる膨大な後悔の波

自分の不甲斐なさに、浅はかさに、弱さに

めちゃくちゃ腹がっ立った


だから俺は決めた

俺は俺らしく-----

今度は絶対に後悔するような、言い訳するような『我慢』なんてしない

欲しいものはどんなことをしても手に入れる


それがあいつをまた傷つけることになったとしても……





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