恋愛の条件
「単なる同期よ……」

(そう同期……それだけの関係)

「同期で、昔の男よ♪」

一番隠しておきたかったことを後輩の前でにべもなく暴露され、奈央の開いた口が塞がらない。

「えぇぇぇぇっ!?」

「ちょっ、沙希っ!!」

「別にあやちゃんに隠すことないじゃない?」

「奈央先輩、黒沢さんと付き合ってたんですかぁ!?」

あやの目がこわい……迫力に押されそうになるが、奈央は否定する。

「付き合ってなんかないわよ」

「やり逃げされたのよね?」

(こっ、この女……本当にこいつは親友か?)

「ほ、本当ですかぁ!?」

「ちがう!!」

「どう違うのよ?」

あっ、おじさん生もう一つ~♪と平然と自分の分だけオーダーするこの親友の後頭部を怒突きたくなる衝動を抑え、自分も残りのビールを飲み干す。


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