恋愛の条件
「おはよ、奈央」


(無視、無視!口きかないもの)


「挨拶くらいしろよ?」

「半径1メートル以内に近寄らないでくれる?」

すっと手を伸ばそうとする修一を牽制するように、手元の書類で身をガードした。

「そんなんじゃ、仕事になんないだろ?」

「セクハラされる方が仕事になんない」

「セクハラってひどいなぁ~。奈央と俺のスキンシップじゃん?昔は膝枕までしてくれたのになぁ……」

「そこのデスクから指示出してくれればいいから!ち・か・よ・ら・な・い・で!」

「昨日のこと怒ってんの?」

「昨日のことって?何もなかったわよ」

わざととぼけてみせる。

そのせいで寝れなかったなんて口が裂けても言えない。

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