恋愛の条件
「忘れたんなら、再現しようか?」

ニヤリと笑って手を伸ばしかける。

「結構です!二度としないで!!」

「クス、そんなによかった?」

二度としないで、と言っている意味を理解しているのだろうか?

「俺、謝らないから。奈央にキスしたかったからしただけだし?」

「///なっ///」

半径1メートルはあいていると思う。

だが、その距離すらもすぐに詰められそうで身構えた。


(どうしてそういうこと平気で言えるの!?)


「さて、奈央ちゃん、いい加減仕事モードに切り替えようか?」

セクハラ大魔王が……どの口が物をいう?

奈央は思いっきり眉間に皺を寄せた。

「ここそんな暇な部署じゃないし、奈央にはやってもらわなきゃいけないことがいっぱいあるからな?」

上司らしいまともなことを言っているのだが、どこか腑に落ちないのはなぜだろう?

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