恋愛の条件
考えるとますます落ち込みそうになり、余計なことは考えない、と頭を切り替えた。

こうやって考えたくないからまた仕事に没頭する自分に気づき、嫌でも苦笑いがこみあげてくる。


(あぁ、私って進歩ない……)


奈央はもう一度深く溜息をつきながらも、ソコン画面に視線を移し、佐野の分析の見直しにかかった。



体調もすぐれず気分的に落ち込んでいた奈央だったが、午後からはそんなことすら考える余裕もないくらい忙しかった。

チーフとしての修一の能力の高さは、悔しいが認めざるを得なかった。

最年少でチーフに昇進しただけあり、同期の奈央とは、知識においても、技術においても、レベルが違う。

それは今日一日修一の下で働いてみて奈央が素直に感じたことだった。

修一の性格からしてスタンドプレーに走り、成績重視の高慢な仕事ぶりを想像していたが、意外なことにチームプレーを重視し、指示は的確でわかりやすく、効率的に動けた。

何よりもチーム内の部下のことを良く理解している、という印象を受けた。


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