ボクらのオキテ
巻き戻し
「零くん、だよね?」


あいつは俺に話しかけてきた。


3週間気付かれなかったから、
このまま卒業できるかもしれない、と思っていた。


でも、
それはやっぱり無理だったわけで。


「うん。」


普通に返事をしたつもりだったが、
なんだか素っ気なくなってしまった。


「あの、覚えてる?」


「功刀蒼。」


そうだよ、覚えててくれたんだぁ、と蒼は俺の前で笑顔を見せる。


それ以上何も言わない蒼に、


「何か、用?」


と問う。
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