ボクらのオキテ
いや、
どうして俺は見て見ぬふりなんてしたんだろう。


面倒なことだと思って、
遠ざけて、
結果は最悪だ。




次の日も、
その次の日も、
蒼は学校に来なかった。


「心配ですか?」


夏川にそう問われた。


うん、なんて、絶対言わない。


それでも、
やっぱりこうなってしまったのは俺たち周りのせいでもあるような気がして、
結局功刀家へ足を運んでしまった。


「あの、この間はどうも。」


蒼の母親が、
小さい頃隣に住んでいた早坂零だとは気付かずにそう言う。
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