ボクらのオキテ
パタパタパタ、
とスリッパの音がして、
蒼の母親が玄関に戻ってきた。


「すいませんね...
無理だと、言っています。」


「そうですか。
...これ、プリントなんですけど。」


その日は、蒼の母親にプリントを渡して帰った。




あれから、
どれくらい経っただろう。


1週間?


いや、2週間?


毎日通ったけど、
声が聞けたのは1回だけだった。


それも、
叫び声のような声だった。
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