小さなあいつと大きなあたし。
小学生?



高校の入学を間近に控えた3月のある日。




大好きな漫画を購入するため、あたし井川瑞穂は近くの本屋に足を運んでいた。




「確か上の方に…」




棚の上の方に目をやりながら歩くと何かにぶつかった。




「痛っ」




人だったのかボソッとつぶやく声が聞こえ、ゆっくり下を見る。




「あ」




小さい子…小学生かな?




「大丈夫?ごめんねぇ」




「あ、大丈夫です。すみません」




小学生なのに礼儀正しいなぁ。




「こっちこそよそ見しててごめんね。1人?お母さんは?」




「は?お母さん?」




まずいこと言ったかな…?




男の子がすごい形相で睨んでくる。




な、なんで睨んでるの?




「お、お姉さんもう行くねっ」




男の子から恐怖を感じて目的の本を見つけそそくさとレジに並んだ。




さっきの男の子可愛いけど怖かったなぁ。




でも、何年生だろ?




ああいう弟欲しかったな〜。




恋人だったら絶対嫌だけどね。




あたしの大きさが目立っちゃうもん。




そう。




あたしの身長は170.2cmもある。




この身長のおかげでいつも最悪なことばっかり。




背の順ではいっつも最後だし、何をしても目立つから怒られたりすることも多々あった。




中学時代、男子はあたしより小さいのばっかで恋もろくに出来なかったし。




だから高校では絶対あたしより背の高い人と恋したいの!!




でも地元から高校近いからがっかりの方が大きそうだ。




「どっかに背の高い王子様いないかなぁ…」




なんて虚しいつぶやきを漏らしながら帰路についた。




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