小さなあいつと大きなあたし。
真相



「そんじゃ、委員会決めするぞー。まずは…」




「先生ー!質問しても良いですか?」




「おぉ、なんだぁ?」




「先生の自己紹介がまだですー」




「入学式はやんないんすかー?」




みんな質問攻め…。




でも質問の内容は納得のいくことばっかりだ。




「くっだらねぇことばっか興味持ちやがって…」




くだらないこと…?




見た目からしてみんな気になるのは当然な気がする。




ボサボサで真っ黒な長い髪。




目は前髪で隠れてて見えないけどメガネをかけてる。




髭が無造作に生えてて、パッと見は30代前半ぐらい。




何の教科を担当しているのかすらわからない。




「仕方ねぇ…俺は青山遥。担当は英語。歳は25。以上。文句あっか?」




へ、へぇ…って…。




「「「25!?!?」」」




かなり若いじゃん!!




老け顔なのかな?




「…全然若いじゃん…」




騒ぎ出すクラスの女子。




「きゃあ!若ーい♪♪」




薫ちゃんも大騒ぎ。




「意外だな…」




ボソッと呟く小学生。




「うっせぇ!!だから言いたくなかったんだよ…」




「先生ー、入学式はー?」




「んなの知るか。校長に聞け」




うわっ…適当…。




「じゃ、委員会決めるぞ」




若いならもっと若い格好すれば良いのに…。




トレーナーにジーパンにサンダル。




そこらへんのパチンコ屋にいるおっさんみたい。




「瑞穂!委員会何入るの?」




「私は…図書委員かな〜。薫ちゃんは?」




「あたしは学・級・委・員!」




「へぇ〜すごいね〜」




でももう1人はどうするのかな?




「はーい、私学級委員やりたーい♪」




「おぉ…お前確か噂の…早乙女か。」




薫ちゃんが手を挙げた瞬間視線が集まる。




「先生ー、あたし男子に沼田くんを学級委員に推薦しまーす」




「えっ俺?」




小学生が驚いて薫ちゃんを見る。




「…なぁ、あいつ女?男?」




「男子選んだってことは女なの?でも制服男用だし…」




一斉にコソコソ話を始めるクラスメイト。




薫ちゃん…可哀想…。




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